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旅にいる

十日後には、久しぶりの飛行機に乗っているだろう。二度の乗り換えの末に着く国は、ジャマイカである。地球の向こう側の島国。初めて出会うカリブ海。行きは友達と一緒だが、帰りはひとりで帰る。ツアーではない。すでに旅にいる私は、身体は自宅に置いているが、心は家を離れている。離れた所から現実の家を見ていて、ひとりで留守居をする富士を見守り、庭のメダカたちのサバイバルを見守る。富士は箱形のトイレを10個並べて貰い、細く出し続ける水道水を飲み、万一予定を外れて帰宅が遅れた場合を考慮して用意された1ヶ月分以上の食料を、彼女自身の判断で、毎日少しずつ食べ繋がなければならない。猫の師匠でもある友人は、知恵を出してくれつつ、実は、ハラハラとして見守っている。1歳児の富士が耐えられるだろうか。見に行ってあげる、と言ってくれる。別の友達は、娘夫婦が旅行中で、そのあいだ、朝夕、娘の家へ通い、猫の世話をしている。あと何日、と娘の帰りを待ちわびているが、活発な猫たちは上機嫌であるらしい。
私は言う、ペットホテルで過ごす猫もいるけど、私と暮らすという運命を背負った富士は、ほかの猫がしない経験をすることになるのよ。
4匹のメダカから生まれた子メダカは、およそ200尾はいる。固形の餌を沈めて置くから飢えることはないが、台風の季節であるから豪雨に襲われる可能性がある。雨水の下水管へ流れ出てしまうかもしれない。しかしメダカは、流れに逆らって泳ぐ習性を持っているので、力比べになるだろう。この力比べに勝利すれば、冬越しなどは楽にできるはずだ。旅にいる私は、すでに家にはいない、旅行先にも、まだ着いていない。
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