文房 夢類
文房 夢類
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雨の季節、茂る葉

昨日と今日は晴れて風もあり、気持ちも明るい。紫蘇の葉、春菊の葉、常緑樹の深緑の葉も、すべての葉が潤沢な水を抱えて光り輝いている。
葉がバンザイの形で太陽を向いているのは伸び盛りの葉たちで、ここに雨が降り注ぐと、雨水は葉から茎へ幹へと伝い流れて根元に集まる。
このようにして水を集めた草木が育ってゆくのだが、老木を見ると枝先が垂れ下がっている。杉の木を見るとよく分かるが、若木の葉先は空を指すが、老杉は地を指している。風格ある盆栽の姿だ。雨水は葉先から滴となり、幹からは遠い葉の先へ伝い落ちてゆく。相当量の雨が降っても、幹や根元は乾いているのである。葉先から広い範囲に撒かれた滴は、種や幼苗を潤す。自分の子もいるし、遠くの誰彼の種も芽を出している。
風格を重んじて盆栽スタイルをやっているわけではない、老いへ向かう自然の姿である。
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