文房 夢類
文房 夢類
myExtraContent1
myExtraContent5

東風

二階庭と言い習わしている見晴らしのきくベランダで洗濯物を干した。連日の晴天で湿度が30%台、この乾季には屋内に風を通して乾燥させる。湿気の多い日本では、収納場所に戸を立てて閉め切る行為は愚かしい。
それはさておき気持ちの良い風が吹き渡り、落葉樹の小枝たちが潤いを帯びてきた。秋の終わりには水気を失い、黒く萎びていた枝が今は、潤いに満ち満ちて芽先の動きを誘うかのようだ。まわりの家の紅梅がまず紅色になり、いまは白梅が真っ盛り。とはいえ我が家のお向かいの梅は、ようやく目覚めを迎えたらしく、今朝ようやく、幾つかの白い蕾を見せた。
風は東風である。まさしく東から、しっかりとした勢いで吹き渡りくる風に、菅公のうた、東風吹かばを思い起こした。
myExtraContent7
myExtraContent8