文房 夢類
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朝顔が咲いた

朝顔の種を買い、植木鉢で育てた。早起きして4時、5時。梅雨時の朝は湿っぽく冷えている。朝顔の蕾は内に息を溜めた姿で動かない。いっせいに花開いたのは7時前だった。
むかし、夏休みに絵日記を書くという宿題があった。下駄ばきで庭に出て、花数を数えて描いた。大好きな遊びが、萎んだ花殻を集めて色水を作り、ガラスの空瓶にいれて売る色水屋さんごっこだった。戦争中でも、こんな楽しい時があったのだ。最悪の年月の中にも、美しい、あるいは楽しい時が織り込まれている。
何年か前にヘブンリーブル−という品種の朝顔を育てたのだが、これは11月まで咲き続ける逞しさ、夕方にも元気一杯な顔色で、葉が隠れるほどに花数が多かった。まさに空の青という印象だったが、朝顔のもつ儚さ、風情のない、一本調子の元気者だった。それ以来、ご無沙汰していた朝顔だったが、久しぶりに育てた朝顔は、伝統的な日本朝顔。濃紺に白い縁、深い紅色、縞入りの空色。デジカメのワンショットに収まってしまうくらいの花数、絵日記ならぬデジカメ日記になりそう。
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