文房 夢類
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マッシュルーム・ウィード

この夏のはじめに、マッシュルーム・ウィードという水草を買った。高さが15センチほどで、マッシュルームと同じくらいの大きさの丸い葉が伸びている。小さなポット苗。見たこともない初めての種類なので、3つに株分けをして違う環境の3カ所に置くことにした。
この知恵は、ターシャ・テューダーがやっていた方法で、新入りを迎えたときは、3カ所に分散して植えてみるのだと書いていたのである。私が一番に最高だ、と考えた場所は、二階庭だった。ベランダと言うには少し広い庭のようなもので、抜群に日当たりが良い。風通しも良い。2番目がメダカが棲んでいる壷で、南側の庭先にある。3番目が北側の玄関前の池。池というのはおこがましい、雨水の溜まっているA4サイズの穴である。
それぞれに目を掛け、手をかけて8月の終わりが近づいたいま、3カ所に分けて良かった、とつくづく思った。
結果は、予想とはちがっていた。「育て方」の札にあったとおりの、風通しの良い、日当たりの良い場所、である二階のベランダの苗は、息も絶え絶えの貧弱な姿。細い茎、小さな黄色みを帯びた葉。溢れるほどの花のついた数多の茎。花は目立たない白い小さなものだが、子孫を残そうと必死になっている姿である。どんな植物でも、枯れそうに弱ってくると花芽が増える。雄花と雌花がある花では、雌花が目立つようになる。次世代に命を繋ごうとするのだ。
さて2番目がメダカの壷だった。だらけており、長く伸ばした根茎、壷から溢れる葉には苔がついてしまい、半分ほどは茎が溶け始めていて、捨てなければならなかった。そして枯れるかなあ、と初めから諦めながら入れた北側の穴では、穴が見えなかった。生き生きとして濃い緑の丸い葉が盛り上がり、葉は艶やかに光っている。もっと場所が欲しいと根茎が門扉のほうへ伸びている。
ターシャの言うとおりだった、こっちが理屈で考えるより、本人に聞いた方が確かなのだった。
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