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Sep 2020

ウイルスの意味論

ウイルスの意味論』副題=生命の定義を超えた存在 著者=山内一也(やまのうち かずや)発行=みすず書房 2018年12月発行 ¥2800 ISBN9874622087533
著者=1931年神奈川県生まれ 東京大学農学部獣医畜産学科卒業 農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、東京大学名誉教授。日本ウイルス学会名誉会員。ベルギー・リエージュ大学名誉博士。専門はウイルス学。
主な著書に『
エマージングウイルスの世紀』『ウイルスと人間』『ウイルスと地球生命』『はしかの脅威と驚異』など多数。
内容=みすず書房の雑誌「みすず」に12回にわたり連載した「ウイルスとともに生きる」に修正・加筆を行ったもの。
ウイルスとは、単なる病原体ではない、生命体としてのウイルスに関する研究が進展している。本書は地球上におけるウイルスの生命史とも呼べる、今現在までに見えてきたウイルスの全貌である。
感想=covid19が地球を襲っている現在、ウイルスって、そもそも何? と思い読んだ。昔、ビールスというバイ菌がいたが、ルスという同じ語尾から推測するに親戚筋かな? 笑うなかれ。ウイルスとはラテン語、ビールスとはドイツ語、バイラスと発すれば英語。すなわちこれらは同一人物だったのだ!
地球カレンダー(Calender of the earth)によると、ウイルスが生まれたのは5月の初め頃だった。そして人類の誕生は大晦日の除夜の鐘がなる数分前だ。ものすごい先輩だ。
では、本書の裏扉の文章を含めて紹介しましょう。
ウイルスとは何者か。その驚くべき生態が明らかになるたびに、この問いの答は書き換えられてきた。
ウイルスは、数十億年にわたり生物とともに進化してきた「生命体」でありながら、細胞外ではまったく活動しない「物質」でもある、その多くは弱く、外界ではすぐに感染力を失って「死ぬ」。ただし条件さえ整えば、数万年もの凍結状態に置かれても、体がバラバラになってしまったとしても復活する。
一部のウイルスは、たびたび世界的流行を引き起こしてきた。ただしそれは、人間がウイルスを本来の宿主から引き離し、都市という居場所を与えた結果でもある。
本来の宿主とともにある時、ウイルスは守護者にもなりうる。あるものは宿主を献身的に育て上げ、あるものは宿主に新たな能力を与えている。
私たちのDNAにもウイルスの遺伝情報が大量に組み込まれており、一部は生命活動に関わっている。
ウイルスの生態を知れば知るほど、生と死の、生物と無生物の、共生と敵対の境界が曖昧になってゆく読むほどに生物学の根幹に関わる問いに導かれてゆく。
covid19を怖れて手を洗い、マスクをする暮らしの中で本書の世界に分け入る。国境を無視して地球を席巻する害毒の正体が、生命と物質の境界さえも定かではない、加害者であり守護者でもあるという判断不能の存在として立ちはだかった。
この正体を見極めるまで生きていて見届けたいものだ。ウイルスはまだ、巨象の尻尾の先ほども解っていない。新鮮な驚きと脅威に囲まれた。
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