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Jun 2015

素数が奏でる物語

『素数が奏でる物語』副題=2つの等差数列で語る数論の世界 著者=西来路文朗・清水健一 発行=2015年講談社ブルーバックスB-1907 230頁
西来路文朗(さいらいじ・ふみお)=1969年広島県生まれ・大阪大学(整数論)広島国際大学住環境デザイン学科教授
清水健一(しみず・けんいち)=1948年兵庫県生まれ・岡山大学(整数論)岡山大学他、非常勤講師
内容=等差数列中の素数に焦点を当てて、素数分布、代数的整数論、解析的整数論を紹介する。
感想=素数について知りたい。この単純な動機から開いた本。横書き、巻末索引つき、関連図書紹介もついている。本文デザインを「あざみ野図案室」が手がけている。素数の音楽室へようこそ! という色合いが本全体に広がっていて、5章の中扉のデザインは数字と音で統一されている。良いデザイン。
ユークリッドさん、次がフェルマーさん。ここでは4n+1の素数が奏でられる。次がオイラーさんの調べ。素数の無限性が語られる。最後の第5章がガウス氏登場。4n+3。
これらの名だたる天才数学者の人となりも語られて楽しい。音楽と数字は相性が良いので、算数も面倒くさい私だが、音に変換して読み取ることで充分に楽しめるというわけです。ただ、たかが素数と思って読み始めたのだったが、覗けば覗くほど先があり、行き着くことはできなかった。
なかに、ソフィー・ジェルマンの素数が出ており、安全素数についての説明があった。この先には、いまも未解決の難問があると言うのだが、私にはサッパリ分からないことだった。
ところで、ソフィー・ジェルマンは、ジェルマンの定理で有名な数学者で、1776年フランス生まれ。日本では江戸時代にあたり、徳川家斉と重なる時代を生きた女性だ。ガウスなど数学者たちと文通しながら研究を進めていたが、ルブランという男性名で付き合っていたという。ガウスは、彼女の才能を高く評価してゲッチンゲン大学名誉学位を彼女にもたらした。当時は女性が大学教育を受ける環境になかったので、独学であったという。
女性の立場は、何処の国でも大同小異だった時代に、ここまで力を出し尽くした女性に、心底深い敬意を覚えた。大岩の隙間からでも芽は伸び、小さくとも花は開く。環境を言い訳にはしたくないとも思った。
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