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壺猫

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Dec 2014

足に合わない靴

「子どもの貧困対策法」が今年の1月に施行された。待機児童の問題、虐待の問題など、子どもを巡る深刻な問題点が指摘されている。すこやかに、安全に育って欲しい子どもたち。虐待を見つけるヒントは、足に合わない靴を履いている、一見、ちゃんとしている服装であっても、襟が垢で汚れている。こうしたところに目を向けることだと出ていた。
足に合わない靴か、と遠くを眺めた。遠くとは、遠くの年月である。70年以上前、足に合った靴を履いている同級生はいなかった。私の「ズック」も、左右の親指のところに10円玉くらいの穴があいていて、踵はつぶれていた。どの子も同じだった。スリッパのように足に引っかけているだけでも、あるだけで上等だった。たまに先生が2足くらいの新しいズックを教室に持ってきて、くじ引きで貰った。当たった子は、足に合わなくても、合う子にあげたりはしなかった。つま先に綿を詰めてはいた。町の店には商品が何もなかったのだから、親が虐待していたわけではない。国中の資源が戦争のために消費されていたために、国民は貧しかった。
ここまで思い出したところで我に返った。そうか、あのときの子どもたちは虐待されていたんだ。国家が虐待していたんだ、と気がついた。戦争してるんだから、は言い訳にならない。戦争することを止めればよいのだ。不思議なものではないか? あのとき虐待されていた子どもたちは、これが正しい状態だ、我慢することは、よいことだ、と信じていたのだから。「足に合わない靴」が、昔と今の日本の子どもたちを結びつけた。70年前は国家が加害者だった。いまは、同級生の中に埋もれて存在する、あるいは登校以前の状態に埋もれて散在する。助けを必要とするこどもたち。
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