myExtraContent1
myExtraContent5

TVなし生活

本格的にTVのない暮らしがはじまって1ヶ月余り経った。総理大臣を選ぶなりゆきは、TVがあったら絶対見てしまったはずなのだが、ないものだから、ネットで結果を知るだけで終わった。
帰宅する。玄関からお勝手へ。お勝手へ入るとすぐにTVをオンにして、見ないのにつけっぱなしにしている。そういう暮らしが染み付いてしまっていたんだなあ、と気がついた。はじめのうちは、なにか忘れ物をしたみたいな、もの足りない空気を感じたし、部屋の中が静かすぎる、そんな違和感もあった。
日が経つに連れて、いままで頭の中をかき回されていたみたい、と振り返るようになった。TVの矩形の平面は、いったんオンにした瞬間から社会の窓となる。世界中の、今現在の動きが入ってくる。この世界に自分も生きているんだ、という現実感もくる。が、これは錯覚なのだった。旅にある時ではない、自宅で完全にTVのない暮らしというものをしてみて、私は貴重なものを取り戻すことができた、と感じた。音声と映像が始終、無差別に氾濫する空間に身を置くことは、汚れた空気を呼吸し、汚染された水を飲んでいるのと変わりないことなんだと、感じないわけにいかなかった。脳にとって、ずいぶんひどいことをして来たのだ。
私はたぶん、年末には1台のTVを買うだろう、あるいはチューナーにするかもしれない。でもたぶん、いままでとはちがった使い方をするだろう。ただでさえ働きの悪い脳が、これ以上汚染されないような使い方にするつもりだ。TVという器械が悪者なのではない、使い方をいいかげんにしてきた私が間違っていた、それだけのことなのだから。
0 Comments
myExtraContent7
myExtraContent8