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快晴の富士

日曜日が快晴という予報だったので、木、金、土と氷雨とみぞれ、雪の灰色の日だったから予定を延ばして日曜の朝の富士山を眺めた。麓のススキの原がすっかり枯れ葉色に変わり、頂上から日増しに白さが際立ってくる。
予報通りの一点の曇りもない青一色の空。しかし湖畔に三脚を立てるカメラマンたちの姿はない。だいぶ富士山について知識が増えた私は、そうだろうなあ、快晴の青空じゃあ人気ないね、と納得。
ほら、とか凄いでしょう! という写真は、もう少し面白みが欲しいのだ。傘雲とか、麓が霧一面とか、ダイヤモンド富士といって太陽が山頂に輝く瞬間とか、赤富士、紅富士とか。
朝7時半ごろだが、駐車場に観光バスが止まり、中国からの観光客が降り立って、一斉に写真を撮り始めた。みな、富士山を背景にした記念写真、くっきりと美しい姿を見せる富士山に大喜びである。こんな良い日に来合わせてよかったなあ、と私も嬉しくなる。遠来の客人たちのために富士山が顔を出してくれるとほっとする。
いきなり路上駐車した車があり、中年の男の人がカメラを持ってサイクリングロードに飛び降りてきた。走りながらカメラを構える、息を弾ませながら撮る、そこへ私が通りかかり、おはよう、と声をかけたからたいへん。凄いですっ いい富士ですっ。満面の喜びである。昨日は、富士山どこ? という感じだったんですよ。こんなにきれいなの珍しいです、と私は喜びを煽る。ひとりで車を走らせてきた人だ、ひとりでたくさん撮りたいでしょうと足を止めないですれ違う。腕に縒りをかけて応募作品を撮るのも素敵だけれど、こういう人に見つめられた富士山は嬉しいことでしょう。
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